ミュージカルのチケットはお世辞にも安いとは言えない価格の物が多く、観たい作品があっても映画や外食に比べて慎重にならざるを得ません。
そんな一般庶民に取って、ミュージカルの映画化は非常に有り難いです。
「レ・ミゼラブル」も気にはなるものの迷っていた作品の1つだったので、今回の映画化を機に映画版だけでも観てみようと思った次第です。
で、結論から言うと、すごーーーく良かったです!
主人公が銀の食器を盗む→許してもらう→それを機に心を入れ替えるという程度の予備知識しか持たずに観たのですが、文庫本4冊(※岩波文庫の場合)に渡る長編小説の内容がそれだけなはずはありません。
つまり、今回初めてちゃんとしたストーリーを知ったのですが(なんせ原作が長いのでちゃんと原作を読んだ人しか知らない登場人物やエピソードもありそうですが……)、想像以上に壮大で切ないストーリーに圧倒されました。
作品の中で登場人物が次々と不幸に見舞われます。
それも、本人だけが悪いのではなく、彼らがもう少し運に恵まれていたら回避できたかもしれないような出来事ばかりで、見ていて居たたまれなくなって来ます。
とはいえ、ただの悲しい物語で終わらず、苦境に立たされた人間の強さと弱さがスクリーンを通してガンガン伝わってきます。
迫力満点の音楽といい、美しい映像といい、誰一人としてハズレの人が居ないキャスティングといい、欠点が見当たらない素晴らしい作品でした。
私ごときが宣伝しなくても充分ヒットしているのですが、それでも“1人でも多くの人にこれを観て欲しい”という気持ちが抑え切れず、つい人に勧めたくなってしまいます。